2019.6.24
ドラマ「バイプレイヤーズ」を見て、「積み重ねてきたもの」の尊さを考えた

めっちゃ今さら「バイプレイヤーズ」にハマってしまって、何度も見返しています。
ドラマ24「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」:テレビ東京
テレビ東京「【ドラマ24】バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」番組公式サイトです。遠藤憲一・大杉漣・田口トモロヲ・寺島進・松重豊・光石研!日本の名脇役が夢の競演!2017年1月13日(金)スタート!毎週金曜夜0時12分放送!
そもそも見てみよう!と思ったきっかけは「孤独のグルメ」にハマって、もっと松重豊さんを見たい!と思ったことです。思惑通りさらに松重さん好きになりましたね。
まだシーズン1しか見てないんですけど、シーズン1にどっぷり浸かってしまって。シーズン2も見たいんですが、大杉漣さんが途中からいなくなられてしまうことを考えるともう悲しくてたまらなくて・・・
このドラマの魅力はいわずもがな、「6人の名バイプレイヤー」であります。日本を代表する名脇役である6人の俳優たちが、役作りのためにシェアハウス生活を送ることになり、そこからいろんな出来事に巻き込まれていく…というストーリー。
素のバイプレイヤーズを見ているような演出。渋い演技と真逆の姿がかわいい
ドラマ後の「バイプレトーク」でも語られてますが、本人と、ドラマ内の本人役が限りなく近い、と言うか近く見えることがこのドラマの素晴らしいところではないかと思います。
大杉漣さんは本当にこんなにおちゃめで憎めない感じなのかなとか、寺島進さんはコワモテだけどかわいらしいんだなとか、田口トモロヲさんはこだわりが強すぎてめんどくさいのかなとか。←これはご本人も否定してましたね(笑)。

役柄がご本人のイメージになってしまうのは俳優さんたちの宿命ですが、それをうまく逆手に取ったような感じとでも言うんですかね。俳優さんたちの素顔が見られたような気がするドラマでした。
そんな大物バイプレイヤーたちが、アイドルの後ろでダンスしてみたり、女装してみたり、謝罪バラエティで泥にダイブしてみたり…考えられないようなことをやってくれているところが、また魅力です。

もう私、ウェイウェイ系の監督のミュージックビデオ仕事でダンスしてるのがかわいくてたまらなくて…(笑)。その部分だけの動画欲しい。
豪華なゲスト陣から透けて見える、6人の人望

テレビ東京系列の深夜ドラマという枠では考えられない、超豪華な俳優陣が毎回ゲスト出演するのも、このドラマの見どころ。
役所広司さん、竹中直人さん、椎名桔平さん、天海祐希さん等々。
もう一度言いますけど、テレ東の深夜枠ですよ?社会派からイロモノ、セクシー系まで、サブカルボーイズ&ガールズを唸らせるドラマを多く輩出してきた「ドラマ24」枠です。
この枠に対する私の信頼感もすごいですが、やっぱすごいっすよこのメンツは。
勝手な憶測ですが、上記の方々が急に「ドラマ24」にオファーされても、うーーーーーん………って不安になるんじゃないかと思うんです。どういう調理をされるのかわからない、っていうんでしょうか。
そこで、この名脇役たちが主演であるという安心感です。
みんな一度は一緒に仕事をしているはず、その演技力はもちろん、現場での包容力や役者としての矜持まで、絶対的安心感の名脇役たち。◯◯さんがいるなら大丈夫だな。ドラマの中でもこういうやり取り何度か出てきますしね。
このゲストの豪華さの裏に、6人が今まで築き上げてきたキャリア、人徳そのものが表れている気がするのです。またそこでホロリとしてしまう私。
仕事への誇り、ひけらかさない謙虚さ。存在だけが語る「積み重ねてきたもの」
最終話、ジャスミンがひとつ聞いていい?と切り出し、「どうして役者やってるの?」と6人に問います。
それに対する、6人の答えになってるような、なってないような照れ隠しの笑顔。私、そこで大号泣です。

理由をうまく説明できないのかもしれないし、これまでの紆余曲折の役者人生を振り返って、一言では言い尽くせない思いがあるのかもしれない。ただただ、楽しいからだよ!当たり前じゃん!の笑いなのかもしれない。
しかしあの限られた時間の中で、その様々な思いを汲み取ってしまって、私はとても感動してしまいました。それを表現できるバイプレイヤーズ。尊い。
なんかね…私も俗な人間ですから、がんばってると褒めてもらいたい…と思ったりすることもあるし、陰で誰かを支えたり努力したりすることが嫌だ!ってわけじゃないんですけど、きっと誰かが自分のことを見てくれているはずだ!って思わないとやってられない時なんかもあるわけです。
バイプレイヤーたちを見て、誰に見てもらっていなくとも、人生で積み重ねてきたものというのはきっと滲み出て、静かに誰かの思いに広がっていくものなのかもしれないな、と思いました。
そう考えたら仕事でも何でも、自分が楽しみながら一生懸命がんばれることをやるべきだとも思いますね。努力も勉強も最終的には自分のため。 誰かが評価してくれるかどうかは、その先にある「かもしれない」もの。
「あなたはなぜそれをしているの?」と聞かれたら、ドラマみたいな笑顔を見せられるようになりたいなぁ。
それぞれが長い下積みの末(松重さんは一度役者を辞めていたのだとか)に、今や日本映画界に欠かせない存在になったバイプレイヤーズを見て、深い教訓をもらった気がしたのでした。
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